旦那です。
ついに観劇してしまいました。
伝説の舞台演出家ピーターブルック氏(御年93歳)の芝居。
「The Prisoner」
プリズナー。囚人。受刑者。捕らえられたもの。
自らの父を殺し、妹を愛してしまった青年。彼は、監獄の外にただひとり座っていた。それは彼の選択なのか、それとも罰なのか。
なかなか深刻なテーマの芝居ですが、実は観る前からワクワクがとまりませんでした。
ぼくが新入社員としてテレビ局に入った頃、美術デザイナーの先輩(というか重鎮)であり舞台美術家の部長に一冊の本をいただきました。
「なにもない空間 (The Empty Space)」
ピーターブルック氏により書かれた演劇のバイブル的1冊。これはすぐに読まねば!と意気込んだものの、何をいっているのか全然わからなかったのを覚えています。。
かろうじて汲み取ったのは、余分なものを捨て、最小限の舞台装置で観客に想像させる演出をしろということ。捨てるために必要なことは、空間、舞台装置が演者の行為にどう影響し、観客の想像力にどう反映されるかを理解すること。建築でいうアフォーダンス(空間が行為を促す)の感覚を持てよ、ということなのかなと感じました。
この芝居の舞台を観ても、やはり最小限の装置。舞台上の木の枝が、森の中の木に、主人公の持つ杖に、罰するための武器に、男を捉える檻に、建物の壁に、と姿を変えていきます。
舞台美術もさることながら、台詞もシンプルで、なんとも削ぎ落とされて、研ぎ澄まされた芝居でした。
なにはともあれ、生ける伝説ピーターブルック氏がご存命の間に、彼の芝居を観劇することができ、非常に感激です。
舞台美術: | ★★★★★ |
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ストーリー: | ★★★★★ |
ピーターブルックが生きてるうちに観られた感動: | ★★★★★ |